ODAプレスツアーの実施 (2017年9月19日)
平成29年10月4日
9月19日,在メダン日本国総領事館は,我が国が実施する経済協力案件をインドネシアの多くの方々に紹介するため, ODAプレスツアーを実施し,北スマトラ州スルダン・ブダガイ県とデリ・スルダン県を訪問し,視察しました。
今回のプレスツアーでは,平成25年度・草の根人間の安全保障・無償資金協力事業(以下,草の根事業)で実施された「北スマトラ州スルダン・ブダガイ県における統合牧畜研修センター建設計画」(地元農業者向けの農業・畜産技術研修センター)と,平成28年草の根事業として実施された「デリ・スルダン県薬物依存症リハビリテーションセンター増築計画」(薬物依存症患者のリハビリ治療施設)の2案件をプレスとともに視察しました。スルダン・ブダガイ県,デリ・スルダン県はメダンから車で1~2時間程度の位置にあります。プレスツアーには,スキルマン・スルダン・ブダガイ県知事,サトリヤ・ユダ・ウィボウォ北スマトラ州議会議員(福祉正義党,第B委員会(所掌分野:経済・開発)所属)他の参加がありました。
今回のプレスツアーでは,平成25年度・草の根人間の安全保障・無償資金協力事業(以下,草の根事業)で実施された「北スマトラ州スルダン・ブダガイ県における統合牧畜研修センター建設計画」(地元農業者向けの農業・畜産技術研修センター)と,平成28年草の根事業として実施された「デリ・スルダン県薬物依存症リハビリテーションセンター増築計画」(薬物依存症患者のリハビリ治療施設)の2案件をプレスとともに視察しました。スルダン・ブダガイ県,デリ・スルダン県はメダンから車で1~2時間程度の位置にあります。プレスツアーには,スキルマン・スルダン・ブダガイ県知事,サトリヤ・ユダ・ウィボウォ北スマトラ州議会議員(福祉正義党,第B委員会(所掌分野:経済・開発)所属)他の参加がありました。
北スマトラ州スルダン・ブダガイ県における統合牧畜研修センター建設計画
平成25年度に実施された「北スマトラ州スルダン・ブダガイ県における統合牧畜研修センター建設計画」は,現地で農業振興団体として活動するインドネシア農村技能育成協会(BITRA)と協力して,統合牧畜研修センターを整備しました(贈与契約締結日:平成26年3月10日,完成日:平成26年9月23日,供与額:7,481,516円)。
スルダン・ブダガイ県は,稲作を中心として農業が広く営まれていますが,農業の中でも特に畜産業の生産性が低く,畜牛の場合,単なる放し飼い状態で栄養状態が悪く,牛舎は非衛生的であるため,家畜は病気にかかりやすく,繁殖も生産的に行われていない等の問題を抱えていました。BITRAは従前より,牧畜方法の改善指導,有機農法の普及活動,有機農産物の振興に取り組んでいましたが,特に牧畜方法の改善指導について,十分な実習施設や遠方からの研修参加者向けの寮設備を持っていなかったため,農業者,畜産者への指導,技術の普及は限定的でした。
本事業では,より多くの農業者,畜産者が農業・畜産業技術習得をできるよう,宿泊施設を伴う研修センターとして,研修棟,寮,牛舎,堆肥貯蔵庫,コンポスト施設,バイオガス精製タンク等を整備しました。本件整備により,有機農作物の栽培法の指導,畜牛の栄養状態を改善する適切な飼料配合等技術研修を推進し,そして寮を整備することで,近隣農業者のみならず,県内各地の農業者への研修機会を確保し,コンポスト,バイオガス精製技術の普及によって地域の農業,畜産業の生産性向上と環境改善に貢献しています。2014年9月の完成以降,約1,600名の農業者が本施設で研修を受けてきています。また,本施設は,周辺大学農業学部,畜産学部学生の農業技術,畜産技術研究・実習にも活用されており,産学連携の場としても機能しています。


スルダン・ブダガイ県は,稲作を中心として農業が広く営まれていますが,農業の中でも特に畜産業の生産性が低く,畜牛の場合,単なる放し飼い状態で栄養状態が悪く,牛舎は非衛生的であるため,家畜は病気にかかりやすく,繁殖も生産的に行われていない等の問題を抱えていました。BITRAは従前より,牧畜方法の改善指導,有機農法の普及活動,有機農産物の振興に取り組んでいましたが,特に牧畜方法の改善指導について,十分な実習施設や遠方からの研修参加者向けの寮設備を持っていなかったため,農業者,畜産者への指導,技術の普及は限定的でした。
本事業では,より多くの農業者,畜産者が農業・畜産業技術習得をできるよう,宿泊施設を伴う研修センターとして,研修棟,寮,牛舎,堆肥貯蔵庫,コンポスト施設,バイオガス精製タンク等を整備しました。本件整備により,有機農作物の栽培法の指導,畜牛の栄養状態を改善する適切な飼料配合等技術研修を推進し,そして寮を整備することで,近隣農業者のみならず,県内各地の農業者への研修機会を確保し,コンポスト,バイオガス精製技術の普及によって地域の農業,畜産業の生産性向上と環境改善に貢献しています。2014年9月の完成以降,約1,600名の農業者が本施設で研修を受けてきています。また,本施設は,周辺大学農業学部,畜産学部学生の農業技術,畜産技術研究・実習にも活用されており,産学連携の場としても機能しています。



デリ・スルダン県薬物依存症リハビリテーションセンター増築計画
平成28年度に実施されたデリ・スルダン県薬物依存症リハビリテーションセンター増築計画」は,メダン大司教区経済開発カリタス財団と協力して,薬物依存症リハビリテーションセンターを整備しました(贈与契約締結日:平成28年11月10日,完成日:平成29年7月6日,供与額:9,996,000円)。
北スマトラ州には薬物濫用者が約40万人(州人口の約3%)いると推定され, 当地では連日薬物関連の事件が報道されています。北スマトラ州政府は,年間2300名の薬物濫用者・依存者を,カウンセリングを含めた通院・入院治療で更生・治療することを目指していますが,州内のリハビリ施設定員は1000人程度と,現状からすると大幅な不足状態にあります。
カリタス財団は,2011年に定員15名の薬物依存症患者リハビリセンターを開所しており,その後,周辺地域における更生施設不足を受け,自己資金で定員20名まで拡大しました。しかし,その後も入所希望者の相談が断続的にありましたが,キャパシティ不足から,その多くを断らざるを得ない状況が続いていました(2015年には60名の入所希望者を受け入れられませんでした)。カリタス財団は,リハビリセンターにて入院治療,通院・カウンセリング治療の他,薬物対策教育の拠点としても活用してきており,また薬物依存症者を刑務所でなくリハビリセンターで更生することを目指すインドネシア政府の方針とも合致しているため,日本政府は本件への支援を決定しました。
本年7月に完成し,運用が始まったばかりですが,本施設が北スマトラ州周辺での薬物問題解決の一助になることが望まれます。

北スマトラ州には薬物濫用者が約40万人(州人口の約3%)いると推定され, 当地では連日薬物関連の事件が報道されています。北スマトラ州政府は,年間2300名の薬物濫用者・依存者を,カウンセリングを含めた通院・入院治療で更生・治療することを目指していますが,州内のリハビリ施設定員は1000人程度と,現状からすると大幅な不足状態にあります。
カリタス財団は,2011年に定員15名の薬物依存症患者リハビリセンターを開所しており,その後,周辺地域における更生施設不足を受け,自己資金で定員20名まで拡大しました。しかし,その後も入所希望者の相談が断続的にありましたが,キャパシティ不足から,その多くを断らざるを得ない状況が続いていました(2015年には60名の入所希望者を受け入れられませんでした)。カリタス財団は,リハビリセンターにて入院治療,通院・カウンセリング治療の他,薬物対策教育の拠点としても活用してきており,また薬物依存症者を刑務所でなくリハビリセンターで更生することを目指すインドネシア政府の方針とも合致しているため,日本政府は本件への支援を決定しました。
本年7月に完成し,運用が始まったばかりですが,本施設が北スマトラ州周辺での薬物問題解決の一助になることが望まれます。


草の根事業について
草の根人間の安全保障無償資金協力事業は,人間の安全保障の理念を踏まえ,開発途上国における経済社会開発を目的とし,草の根レベルの主民に直接裨益する,比較的小規模な事業のために必要な資金を供与するものです。対象分野としては,基礎生活(Basic Human Needs)分野及び人間の安全保障の観点から重要な分野(教育,保健,民生環境等)を優先的に支援しており,外交上のニーズを踏まえながら,草の根レベルに対する裨益効果が高い案件,小規模な支援によって特に高い援助効果を発揮する案件,人道上,機動的な支援が必要な案件を中心に支援しています。
在メダン日本総領事館は,当館管轄地域内各地で草の根案件を実施してきており,2000年以来計67件実施してきております。
在メダン日本総領事館は,当館管轄地域内各地で草の根案件を実施してきており,2000年以来計67件実施してきております。