ODAプレスツアーの実施 【2017年2月27~28日】
平成29年3月27日


2月27~28日,在メダン日本国総領事館は,我が国が実施する経済協力案件をインドネシアの多くの方々に紹介するため,ODAプレスツアーを実施し,北スマトラ州ニアス島を訪問,視察しました。
今回のプレスツアーでは,平成22年度・草の根人間の安全保障・無償資金協力事業で実施された「ニアス島職業訓練学校に対する車輌修理作業用資機材整備計画」(職業訓練校での自動車・バイク修理技能習得のため,自動車・バイク修理機材等の整備)と,JICA草の根協力支援型「ニアス島における伝統舞踊『Maena』を活用した防災教育事業」(小学生への避難訓練・防災教育を通じた,地域社会での防災文化確立を図る事業)の2案件をプレスとともに視察しました。
ニアス島は,スマトラ島西海岸から150km弱離れた場所に位置しており,人口は約80万人です。北スマトラ州に位置しますが,州の中心部である州都メダンから離れており,経済事情は厳しい状況にあります。また,地震頻発地域であり,津波被害の歴史もあります。今回のプレスツアーの目的は,日本の経済協力プロジェクトが様々な分野に亘り,自然災害の脅威も抱える島しょ部・ニアス島にあらゆる面から協力している現状を紹介することです。そして,来年には外交関係樹立60周年を迎える日本・インドネシア両国関係が長年友好関係にあり,両国間の協力事業が多岐に亘ることを紹介するものです。
今回視察した2案件につき,紹介します。
日本政府・草の根人間の安全保障無償資金協力事業「ニアス島職業訓練学校に対する車輌修理作業用資機材整備計画」は,私立の職業訓練学校に職業訓練機材を整備した事業です。地域開発職業訓練学校(SMK PEMBANGUNAN DAERAH)は1970年に設立されてから,車両整備技術の訓練用として自動車1台,自動車エンジン1台を整備し,授業に利用していたものの,整備から40年が経過し,老朽化が激しく,学生達への効果的な技能習得に支障をきたしていました。平成22年度に日本政府は,自動車及びバイクの車両整備技能習得用として,研修用自動車2台,エンジン3基,修理機器等を整備しました。今回の同職業訓練学校の視察では,現在に至るまで,日本政府の支援で整備された機材は良好な状態で維持・管理されており,学生達の自動車・バイク修理の技能習得に役立っていると校長先生及び生徒達から話がありました。また,同校の卒業生では,ニアス島内で修理工場を独立開業した例や,メダンの自動車ディーラーにメカニックとして就職した例があるとのことでした。学校側からは,今後は,コモンレールディーゼルエンジン等,最新の自動車技術に合わせた整備技術指導を行いたいとして,今後も日本との協力関係を持ちたい旨発言がありました。在メダン日本国総領事館としては,本件はニアス島で,若年層の人材開発に貢献する事業であることから,今後も積極的に協力していく所存です。
JICA草の根協力支援型「ニアス島における伝統舞踊「Maena」を活用した防災教育事業」は,自然災害頻発地域であり,かつ被害が多く発生した北スマトラ州・ニアス島において,島民の災害軽減を目的とした防災教育事業です。ニアス島内の12の小学校において,避難訓練を含め,防災教育を実施します。本事業では,小学生のみならず,家族や地域の住民を含め,コミュニティ全体での防災意識向上を図ります。
2004年12月,2005年3月に発生したスマトラ沖大地震の際,同島は大きな被害を受け,1,070人近くの島民が亡くなりました。それ以前から地震,津波災害は発生していたものの,島民の防災意識は必ずしも高くなかったため,上記地震の際には大きな被害が発生しました。
一方,ニアス島と同じスマトラ島西海岸側に位置するアチェ州シムール島では,島民間で伝わる口頭伝承詩「スモン」が津波の危険性と津波発生時の避難の必要性が詩の内容にあったことから,島民の多くが適切に避難を行い,犠牲者数は45名以下でした。
ニアス島においても,災害発生時の避難の重要性を説く伝統舞踊「マエナ」が以前からありましたが,島民間で広く周知されていませんでした。本事業では,単に避難訓練,防災教育を行うのではなく,島民に親しみやすく,かつ万が一の際に行動の指針となる内容を持つニアス伝統舞踊を通じ,ニアス島民の防災意識向上を図るものです。
今回のプレスツアーでは,平成22年度・草の根人間の安全保障・無償資金協力事業で実施された「ニアス島職業訓練学校に対する車輌修理作業用資機材整備計画」(職業訓練校での自動車・バイク修理技能習得のため,自動車・バイク修理機材等の整備)と,JICA草の根協力支援型「ニアス島における伝統舞踊『Maena』を活用した防災教育事業」(小学生への避難訓練・防災教育を通じた,地域社会での防災文化確立を図る事業)の2案件をプレスとともに視察しました。
ニアス島は,スマトラ島西海岸から150km弱離れた場所に位置しており,人口は約80万人です。北スマトラ州に位置しますが,州の中心部である州都メダンから離れており,経済事情は厳しい状況にあります。また,地震頻発地域であり,津波被害の歴史もあります。今回のプレスツアーの目的は,日本の経済協力プロジェクトが様々な分野に亘り,自然災害の脅威も抱える島しょ部・ニアス島にあらゆる面から協力している現状を紹介することです。そして,来年には外交関係樹立60周年を迎える日本・インドネシア両国関係が長年友好関係にあり,両国間の協力事業が多岐に亘ることを紹介するものです。
今回視察した2案件につき,紹介します。
日本政府・草の根人間の安全保障無償資金協力事業「ニアス島職業訓練学校に対する車輌修理作業用資機材整備計画」は,私立の職業訓練学校に職業訓練機材を整備した事業です。地域開発職業訓練学校(SMK PEMBANGUNAN DAERAH)は1970年に設立されてから,車両整備技術の訓練用として自動車1台,自動車エンジン1台を整備し,授業に利用していたものの,整備から40年が経過し,老朽化が激しく,学生達への効果的な技能習得に支障をきたしていました。平成22年度に日本政府は,自動車及びバイクの車両整備技能習得用として,研修用自動車2台,エンジン3基,修理機器等を整備しました。今回の同職業訓練学校の視察では,現在に至るまで,日本政府の支援で整備された機材は良好な状態で維持・管理されており,学生達の自動車・バイク修理の技能習得に役立っていると校長先生及び生徒達から話がありました。また,同校の卒業生では,ニアス島内で修理工場を独立開業した例や,メダンの自動車ディーラーにメカニックとして就職した例があるとのことでした。学校側からは,今後は,コモンレールディーゼルエンジン等,最新の自動車技術に合わせた整備技術指導を行いたいとして,今後も日本との協力関係を持ちたい旨発言がありました。在メダン日本国総領事館としては,本件はニアス島で,若年層の人材開発に貢献する事業であることから,今後も積極的に協力していく所存です。
JICA草の根協力支援型「ニアス島における伝統舞踊「Maena」を活用した防災教育事業」は,自然災害頻発地域であり,かつ被害が多く発生した北スマトラ州・ニアス島において,島民の災害軽減を目的とした防災教育事業です。ニアス島内の12の小学校において,避難訓練を含め,防災教育を実施します。本事業では,小学生のみならず,家族や地域の住民を含め,コミュニティ全体での防災意識向上を図ります。
2004年12月,2005年3月に発生したスマトラ沖大地震の際,同島は大きな被害を受け,1,070人近くの島民が亡くなりました。それ以前から地震,津波災害は発生していたものの,島民の防災意識は必ずしも高くなかったため,上記地震の際には大きな被害が発生しました。
一方,ニアス島と同じスマトラ島西海岸側に位置するアチェ州シムール島では,島民間で伝わる口頭伝承詩「スモン」が津波の危険性と津波発生時の避難の必要性が詩の内容にあったことから,島民の多くが適切に避難を行い,犠牲者数は45名以下でした。
ニアス島においても,災害発生時の避難の重要性を説く伝統舞踊「マエナ」が以前からありましたが,島民間で広く周知されていませんでした。本事業では,単に避難訓練,防災教育を行うのではなく,島民に親しみやすく,かつ万が一の際に行動の指針となる内容を持つニアス伝統舞踊を通じ,ニアス島民の防災意識向上を図るものです。