在メダン日本国総領事館 海外安全対策情報(令和2年7月~9月)
1 治安情勢
(1) 一般犯罪
ア 邦人の方が被害に遭われた事件
関連情報はありませんでした。
イ 状況
前期に引き続き、各種犯罪の中で、強盗、窃盗が頻発していました。
具体例は次のとおりです。
【強盗】
早朝、乗り合いバス(アンコット)内で、男性乗客2名が、他の乗客男性の首を絞めてスマートフォンを盗んだ。
【8月、メダン市内】
【ひったくり事件】
路上で男性が食事の注文をするためスマートフォンアプリを操作していた際、オートバイに乗車した男性が近づき、スマートフォンをひったくった。
【7月、メダン市内】
ウ 対策
(ア) 強盗、ひったくり対策
・見知らぬ人と空間を共有する乗り合いバスの利用は避ける。
・徒歩の際は、歩道の建物側を歩くようにする。
・夜間の外出は控え、外出時は周囲を十分確認する。
・近距離でも車で移動する。
・ひったくりされやすく、万が一、ひったくられた場合、転倒する危険性が高いベチャ(三輪車)、バイクタクシーの利用は避ける。
・路上でスマートフォンやタブレットを操作しない。
・音楽を聴きながら、操作をしながら等、他の動作をしながら歩かない。
・周囲をよく確認し、壁を背にする等してからスマートフォン等を取り出し使用する。
・ショルダーバッグを使用する際は、たすき掛けにして車道の反対側に携帯する又はたすき掛けにした上から上着を羽織り携帯していることがわからないようにする。
・一般的に女性は財布などの貴重品をバッグに入れて持ち歩くため、犯人は女性からバッグを奪えば確実に金品を入手できると期待し、女性を狙う傾向にあるため、女性の方は特に警戒が必要。
(ウ) 各犯罪共通
被害に遭った際は、犯人が凶器を所持していることも念頭におき、決して抵抗しない。
(2) 薬物犯罪
ア 邦人の方が関係する事件
関連情報はありませんでした。
イ 状況
前期に引き続き、当館管轄6州(アチェ州、北スマトラ州、西スマトラ州、リアウ州、ジャンビ州、リアウ諸島州)において、覚せい剤や大麻の使用、所持、密輸による検挙が後を絶ちませんでした。
ウ 対策
(ア) 当地で薬物の取引や使用が行われる傾向にある、モスク、公園、人目につかない裏通り、管理者のいない駐車場等(特に夜間)は避ける。
(イ) 見知らぬ者から薬物と知らされずに物品の運搬を依頼された結果、密輸に関わったとして当地警察に検挙された例もあるため
・見知らぬ者又は知人からでも物品の購入や運搬の依頼に安易に応じない。・購入・運搬を引き受ける場合は、物品に不審点がないか隅々まで確認する。
(3) テロ情勢
ア 状況
新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い、ISIL(イラク・レバントのイスラム国)やアルカイダ等のテロ組織も活動を自粛しているのではと考えられがちですが、実際にはこのパンデミックを「神の罰」と称
し、欧米諸国に攻撃を仕掛けるよう呼び掛けていることに注意する必要があります。
また、新型コロナウイルスの影響により、政治、社会、経済に対する不満や不安を募らせた市民が過激主義者に共感し、いわゆるローンウルフ型やホームグロウン型のテロを起こす恐れもあります。
当館管轄州においては、テロ事件の発生やテロ容疑者の検挙等についての情報はありませんでしたが、インドネシア国内の他の地域ではテロ容疑者を検挙した事案がありました。
イ 対策
テロの巻き添え被害を防ぐために、標的とされている警察、軍及び政府関連施設、教会等の宗教施設(宗教行事)を訪れる際は、周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知した際は速やかにその場を離れ
るようにするなど、自らの安全確保に努める必要があります。
(4) 交通事故
ア 邦人の方が被害に遭われた事故
関連情報はありませんでした。
イ 状況
前期に引き続き、当地においては、自動車、オートバイ、ベチャ(三輪車)、自転車等を問わず、信号無視、逆走、強引な割り込み、前方不注意等の危険運転や交通法規の不遵守は日常茶飯事であり、
また、交通渋滞の問題も大きく、運転技術面・治安面において安全な公共交通機関も未発達です。
交通事故に巻き込まれないために、自ら運転することは避け、移動は短い距離であっても、自家用車(運転手付き)、宿泊先等の送迎車、タクシー(ブルーバード)を利用することが得策です。
(5) 災害(火山)
シナブン山(北スマトラ州カロ県)が、8月8日から8月下旬までの間、複数回にわたり噴火しました。
死傷者は報告されていませんでしたが、カロ県では家屋や農作物が降灰の被害を受けました。
9月30日現在の噴火警戒レベルは3(地震・火山活動が活発化している状態)が維持されています。
立ち入り禁止区域には絶対に立ち入らないようにし、常に最新の情報に留意する必要があります。
(6) デモ情勢
7月以降、当館管轄州においても、オムニバス法案や建国5原則に関する法案への抗議デモが、主に議会庁舎、州・市庁舎等の前において行われています。
デモ参加者がタイヤや車両等を燃やしたり、投石をしたりなどして抗議を行い、治安部隊と衝突している事案も発生しているため、デモが行われている場所やデモ隊には近づかないなど、自らの安全確保に留
意する必要があります。
(7) その他
ジャカルタ首都圏内において、非正規の自家製アルコール飲料(いわゆる「密造酒」「闇酒」)を摂取したことが原因とみられる在留邦人の死亡、中毒症状の発症等の事案が発生しました。)
当地においても、過去に「密造酒」「闇酒」による死亡又は中毒事案が発生しています。
生命・健康に多いなリスクを伴うため、製造元、原材料、製造過程、入手ルート等が不明の非正規のアルコール飲料は購入や摂取をしないよう注意する必要があります。
2 対日感情
全般的に良好な状況に変化は見られませんでした。
3 日本企業の安全に関する諸問題
関連情報はありませんでした。